自己紹介・part3(勤務医編)

こんにちは。
今日は、自己紹介シリーズ3回目です。

新潟での大学院卒業後、初めての勤務医生活で学んだこと、
考えたことについてお話しさせてください。

カバさんもメインテナンスしてもらう

 photo Dentist Logan / 20314119@N08

4.勤務医時代

大学院卒業後、どこで働く?

新潟大学・大学院在学中には、東京で開催される勉強会や学会に、頻繁に参加しました。

名古屋出身で東京の事をよく知らない私は、
勉強のための東京訪問を繰り返すうちに、首都東京の凄さに気付かされます。

 

桁違いの情報量とスピード感、文化レベルの高さ、そこにいる人たちのパワー

 

全てに圧倒されました。
私は、新潟での生活が終わりに近づく頃には、

「東京でやってみたい。」

と思い始め、その思いは

「東京でやらないと一生後悔する。」

という確信へと変わりました。

というわけで、

新潟大学で博士号取得後は、いくつか見学させていただいた上で、
東京の医療法人に勤務する事になりました。

勤務先選びの基準は

・子供からご高齢の方まで、幅広い年齢の患者さまがお住まいの地域
・歯科医師が複数勤務しており、いろいろな考え方、やり方に触れることができること
・歯科衛生士さんが担当制で自分のチェアを持って、歯周病治療やメインテナンスしていること
・患者さまへの説明を十分にできること
・やりたい治療をやらせてもらえること
・経営の勉強をできること

これら条件にできるだけ近くて、
かつ、空気感的に自分らしくいられそうな場所を探しました。 

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歯科衛生士さんのことについて、話は少しそれますが、

私は大学院在学中に、
予防歯学の大家、山形県酒田市・熊谷崇先生(2014.10月には NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」出演)の
予防歯科に関する講義を何度か聴講させていただくことができました。

そして、若い歯科医師のためのオーラルフィジシャン育成セミナーという、
熊谷先生主催のセミナーにも参加することができました。

そこでは、
私たち歯科医師は、口の中を治すことによってではなく、発生する病気を予防することによって、
患者さんにとっての利益を提供する。

という考え方をしっかりと頭に叩き込みます。
私にとって、その主役である歯科衛生士さんとのチームワークが組める環境は、絶対条件でした。
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話は戻ります。

勤務していた医療法人は、同じ鉄道沿線上に3医院体制で、運営していました。
人の移動、サポートがいつでもしやすいためです。

名古屋の地下鉄・鶴舞線でいうと、
上前津ー川名ー植田という感じです。

初めの一年間は、都心側の2院を日替わりで行き来する体制で、診療しました。
そちらの医院では新宿で働く若い方や、長くその地域にお住いのご高齢の方が多かったです。

そして、2年目からは、新宿まで25分の住宅街の医院に移動しての診療。

その医院では、お子様からご高齢の方まで、家族ぐるみで見させていただく機会が多く、
幅広い世代に対する診療をさせていただきました。
ちょうど、藤井歯科医院のある植田と似ている環境です。

幅広い世代のこちらの医院での診療では、まさに幅広い診療をさせてもらいました。

・歯を失ってしまった患者さまへの機能回復
・歯を失う直前の患者さまへの歯を残す治療
・たくさんのむし歯、全額的な歯周病で機能障害が出ている、もしくは出る前の状態への治療
・美くしたい審美目的の患者さまへの治療
・ほとんど悪いところがない方への予防処置
・上記で治療が必要になった方が、治療を終了した後の予防処置

これら、歯科で考えられるほとんどの状況に対応させてもらえ、本当に勉強させていただきました。

 

しかし、

補綴科、つまり、歯を失ったお口の機能を回復する科出身の私は、
大学院と勤務医生活の中で、失った機能を回復する状況(補綴科としての仕事)に遭遇するたびに、

事前に防げば、患者さまはこんな苦しまなくて済んだのに…。
そのためにやれることは?

と、

[治すことよりも、治さなくていいように予防すること]

への思いがどんどん強くなります。

そんな頃、分院長をさせていただくことになります。

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今回はここまで。
勤務医生活の前半までのお話しで、自己紹介させていただきました。

 

後半にお話しさせていただいた、
補綴科出身の歯科医師が歯を守る専門に変更する、というパターンは実は多いのです。

先ほどの熊谷崇先生は補綴出身でいらっしゃいますし、

私が公私ともに大変お世話になっております、補綴科大学院の先輩、小笠原正卓先生は、
卒後に、根の治療の認定医資格を取得(PESCJ歯内療法認定医)しております。
現在、地元秋田にて歯内療法専門医として多くの方を救って、大活躍なさっています。

他にも、
アメリカに留学、そして米国歯内療法専門医資格を取得し、
日本に帰国後、全国の講演会で大忙しの田中利典先生も、補綴科出身でいらっしゃいます。
講演会では、とても優しく親身になってアドバイスをいただいて、本当に助けていただいております。

 どちらの先生方も、
「頑張って治してきたけど、これでは患者さまを本当に救っているとは言えないのではないか?」
と、お話ししてくださいます。

失うと二度と帰ってこない自分の歯。
人生を左右するといっても、全く大げさではないです。

自分のお口を守る習慣を身につけましょう。
当院では、日々のセルフケアの練習から始めます。

次回は、いよいよ自己紹介シリーズ最終回です。
もはや自己紹介と呼んでいいのか疑問な記事になってきていますが、
あと1回分だけお付き合いください!

藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁