根管治療:破折ファイル除去と、パーフォレーションリペア

今日は、根っこの病気(根尖病変)のある歯の治療についてです。

治療ジャンルは、根管治療、または、歯内療法と言います。

下の奥から二番目の歯↓

過去に神経を取る治療を受けていらっしゃいます。

しかし、いくつかの問題がありました。

①根尖病変
根の先端には、根尖病変が確認されます。
歯を支える骨が溶けたり、正常な組織構造が破壊されています。
これは、根の中の細菌が原因で、歯の周りに炎症反応が起こった結果です。

②未処置根管(後ろ側の根っこ)
神経の入っていた空間が掃除しきれていない、未処置根管と不完全な根管充填。

③破折ファイル
破折ファイルの存在の疑い(=器具(ファイル)が折れて詰まってしまっている)と、
それによる不完全な根管清掃、根管充填。

が確認できます。

 

まず、被せ物と土台の金属を外し、その周りのむし歯もきれいにすると、
歯の後ろ側はほとんど無くなったので、隔壁を作り根管治療を進めます。
(写真なし)

中の詰め物とその周りの感染した歯を、超音波器具で少しずつ取り除き、
さらにその先の破折ファイルも取り除きます。

折れて詰まっていたファイル 、約5mm。

これを取るの、大変でした、、、汗。

 

これで詰め物や破折ファイルがなくなり、中がはっきりします。

すると、新たな問題が見つかりました。泣

破折ファイルの手前で、根っこに穴が開いていました。(パーフォレーション)
穴に器具を入れて撮影してみたのが、この写真です↑。

ここには本来、器具の通るような穴はないところです。
過去に人工的に開いてしまった穴と考えられます。

なので、問題点は最終的には、⑤パーフォレーションが加わって、

余分なものがなくなったので、どんどん中をきれいにします。

本来の神経のあった掃除すべき根管は、こちら↓

この本来の根管は、過去の治療時に、掃除した後、根管充填材で詰めておきたい場所ですが、
先ほどのファイルが詰まってしまって、掃除しきれていなかったようです。

 

この後、
本来の根管をきれいにして、
パーフォレーションの周りもきれいにして、
②未処置根管もきれいにしたら、

パーフォレーションのリペアをして、根管充填をします。

パーフォレーションリペアの材料がレントゲンでは見にくいですが、入っています。
根から少し出ているのが見えますでしょうか。

 

これで、患者さんの治癒力が発揮される環境が整いました。
この先は、患者さんの治癒力によって、破壊された組織が回復するのを待ちます。

4ヶ月後にレントゲン撮影で骨の回復を確認予定です。

 

歯科治療は、患者さんの治癒力が発揮できる環境を作るものです。

治療が治すのではありません。
治すのは、患者さんの治癒力です。

治癒のルールを理解した上で、
精密に清潔に環境を作って、はじめて治癒力が発揮されます。

長持ちする治療に、精密さが必要なわけですね。


皆さまが快適なお口と健康な体で、楽しい毎日を過ごせますように
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