顆粒入り歯磨き粉のこと

こんにちは。

今日は歯磨き粉、とくに、顆粒入りの歯磨き粉のお話です。

CMでは汚れが落ちそうなイメージが伝わってきますね。

でも、ちょっと待ってください。

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写真真ん中の白い粒、これは、顆粒入り歯磨き粉の顆粒です。
でも、これは見やすくするために、私が顆粒を歯肉の中から出して写真を撮ったものです。

はじめは、このように↓

顆粒透ける

うっすら透けて見えているだけでした。

こんな感じで、歯肉の中に埋まっていることがあります。
歯肉の引き締まり具合によっては、多いときは5粒くらいが塊になって入ってしまっています。

写真がなくて申し訳ないのですが、
量が多くなると、顆粒の集まり全体がネバっとした細菌の塊と考えられるものに、
包まれるように入っていることもあります。

 

顆粒入り歯磨き粉は、いくつかのメーカーから出ています。

患者さまのお口をクリーニングしていると、
写真のように歯ぐきの中から、出てきて気づきます。

そのような患者さまに使っている歯磨き粉を教えてもらうと、みなさん顆粒入りのものをお使いのようです。

 

そして、最後に歯磨きしたタイミングを伺うと、12時間以上前のこともあります。

清潔を保ちたい歯ぐきの中に、長い時間人工物がとどまっている、というのはあまりいいことではないですよね。。。

 

この顆粒は、メーカー曰く、『砕けるので、安全。』とのことです。

でも、実際には12時間、歯ぐきの中にそのままの形でとどまっているものもある訳です。。。
砕けていませんよね。。。

 

実はこの問題は、以前から話題になっていて、
ネット上やfacebook上では、たくさんの記事が出ています。

直接メーカーに問い合わせていただいている先生や歯科衛生士さんも、たくさんいらっしゃいます。
どの方も、砕けるから大丈夫というような対応をもらっている様子。

 

この顆粒は、細菌の足場になり得るかもしれません。

私たちが繊細に扱って、細菌の存在を気にしている歯肉の中に、容赦なく入ってきて、細菌の足場になり得る顆粒。
いいものとは、思えないです。

 

お使いの患者さまには、すぐ使うのをやめるか、
今お使いのがなくなったら次のものは顆粒なしのに変えてくださいね、とお話ししています。

 

じゃあ、どんな歯磨き粉いいのか、というと、

 

「なくてもいいし、なんでもいいです。」

が、私なりの答えです。

歯磨き粉にそんなに期待しないでくださいね。
それよりも大切なのは、ブラシやフロスが歯に触れてプラークを取り除くことです。

 

なのでなくてもいいですが、使うとやっぱりすっきりするので、

使うなら、

・顆粒なしのもの
・強いホワイトニング効果をうたっていないもの(研磨剤が歯を傷つける)

そのほかには、
・フッ素、抗菌成分は入っていないよりは、入っている方がいいでしょう

くらいの基準でいいと思っています。
歯磨き粉に薬理効果を期待してしまって、安心しないでもらいたいのです。

 

それよりも、適切なセルフケアの方法を一度真剣に練習してマスターしていただいた方が
予防効果は高いです。

 

歯磨き粉にこだわっていて、ブラシの使い方が60点、歯の間の掃除道具を使わない方
と、
歯磨き粉は使わないけど、ブラシ80点、歯の間の掃除は毎日欠かさない方

では、明らかに後者の方がお口の病気を予防できていますからね!

 

そんなことわかってるよ!

と言われてしまいそうですが、やはり、これは譲れません。。。

一度、すっきりしたお口の中を経験すると、ちゃんと掃除しないことの方が逆に気持ち悪くて掃除したくなるものです。
そうなったらしめたものです。

 

一緒に歯磨き練習をした患者さまの中には、
過去の歯磨き習慣は理想ではないためにむし歯や歯周病が多かった方でも、
一度隅々まできれいにする快感を知ったために、毎日歯の間までピカピカにして、

「もうやめられない。やらない頃はめんどくさかったけど、今は全然めんどくさくない。みんなやったらいいのに。」

とおっしゃる方もいらっしゃいます。

 

どれだけ治療技術が進歩しても、治療を受けないお口作りが、一番健康で、楽しくて、
時間もお金も使わずに済みます。
そして、人生の後半でのその差は大きく出てきます。

病気を未然に防ぎましょう。
そして、健康寿命を長くしましょうね。

 

皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、
総合治療の藤井歯科医院