初診の流れ

こんにちは。

今日は、初診時の流れについて、お話させていただきます。

 

歯科医院を受診する場合、何か辛いことがあって受診なさることがほとんどだと思います。

では、その日すぐに歯を削ったりして、その問題に取り掛かることが先決でしょうか?

 

歯ぬいぐるみ

photo: New! Tooth holder Plush / bahkubean

 

患者さまが歯科医院を受診なさるパターンは様々あるかと思いますが、
大きくわけると、

1.痛みがあって受診
2.痛みはないが受診(検査とクリーニングなど)

 

2の痛みがないパターンは、検査とその結果の説明、プラン、これからの予防法などをお話して、
当日か2回目からクリーニングを始めるという流れです。

慎重に考えたいのは、特に1.痛みがあって受診のパターンです。

初診時の基本的な流れ

  1. 問診
  2. その日のタイムスケジュール説明
  3. 全体の診査
  4. お口の写真撮影
  5. 診査結果の説明(軽く)
  6. 必要な治療計画の説明(軽く)
  7. 痛みのある部位に対する応急処置
  8. 次回の説明

3、4、7以外は、ずっとお話を伺うか、喋っていますね。笑
私にとっては大切な事です。

この事については、またの機会(歯科治療とコミュニケーション前編後編)に
お話させていただきたいと思います。

 

本当に大切な事

痛みのある初診時に必要なことは、なんといっても、

痛みを取ること

ですね。これは疑いがありません。

もしも、強い痛みがなく、それほどお困りでないとしても、
ご来院時よりお帰りになる時の方が、少しでも楽になることができるように、
処置についてご相談し必要ならば行います。

 

しかしどの場合も、基本的には、
初診時は、除痛目的の応急処置にとどめます。

 

なぜなら、痛みという結果を引き起こしたのには原因があり、
原因除去こそが根本解決には必要だからです。

 

人生の単位で見た場合、大切なことは、
痛みが出た原因をなくし、再発しないようにすること

です。

 

そして、原因の多くが細菌感染です。

お口の中にたくさんの細菌がいる状態で治療を進めても、二次感染を起こしながらの治療になり、
治療の効果が出にくいばかりか、将来の再発を起こしやすくします。
感染源の除去が必須です。

 

原因を明確にせず、しかも、原因を残したままで、
本格的な治療に入り完結まで運ぶことも、やってしまえばできます。

治療期間は短くすみ、患者さまにとっては一見いいかもしれませんが…。
やはり、早さと合わせて短さも、一概にいいとは言えないと私は思います。

 

理想は、

痛みを取り除いて、まずは落ち着いたら

その痛みを作った原因を取り除いて、問題の発生しにくい状態にする

環境が整ったら

本格的な治療にもどる

です。

 

具体的には、

むし歯が痛くてご来院

初診時、痛みが出ない程度にむし歯をとって消毒、薬で封鎖する。

その後、原因になっていたお口の汚れとバイ菌をクリーニング

その状態が維持できるように、セルフケアの確認・練習

環境が整ったら

むし歯治療に戻る

 

この方針は、私から患者さまに説明させていただいた後に、
患者さまに選んでいただいて決定します。

お時間の関係などで、
原因除去はそこそこにとりあえず完了まで行きたい、というご要望の場合もありますので、
その場合はリスクとその対策をお話した上で、さっそく治療に入ります。

患者さまによる治療計画の選択については、こちらをご覧ください。

 

患者さまが大切な時間を使って、辛い気持ちを振り払って治療を受ける事を考えると、
患者さまにとって本当に大切な事をお伝えしたくなります。

治療に時間や期間がかかることは、患者さまにとっては負担になり、大変だと思います。
しかし、将来のご自身のためには必要なプランもあることを知っていただければ幸いです。

 

皆さまがお口にストレスなく、楽しい時間を過ごせますように

藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

【2015年11月13日追記】
[初診時の基本的な流れ]に、歯科治療とコミュニケーション前編後編へのリンクを追加しました。