ダイレクトボンディングー1日で終わるむし歯治療。本来の歯の姿を復元します。
こんにちは。
今日はむし歯治療の中でも、削る量が最小限で、
かつ、1−2回で治療が終わる、「ダイレクトボンディング」についてのお話です。
むし歯であいてしまった穴は、できるだけ元の形や色に復元したいですね。
ダイレクトボンディングは、それを精密に行う方法です。
ダイレクトボンディング法
お口の中で直接、歯科用レジン(プラスチック)を歯に盛り足して、
歯の形や色を回復する方法です。
主にむし歯などで空いた穴を治したり、
隙っ歯の隙間を矯正治療をせずに1日で治す時に行います。
歯を削る量が少なくできることが多く、治療回数も1−2回と少ないので、
患者さまにとって負担の少ない方法です。
「口の中で直接盛り足して治す方法」なので、材料と技術があれば、
保険診療でも自由診療でもできますが、
綺麗な形や色を復元するためには多くの時間をかけること、
使う材料は保険適応外の、質が良く、色の種類が多い材料を用いることが多い、
などの理由から、
保険適応外の材料を用いて、時間をかけて精密に形・色を復元する、自由診療で行う治療を、
「ダイレクトボンディング」と呼び、
保険適応の材料を用いて、形・色を復元する、保険診療範囲内で行う治療を、
「レジン充填」や「CR(シーアール)」と呼ぶことが多いようです。
私の診療では、上記のように分けております。
メリット
- 歯を削る量が少なくできる。
- 1−2回で治療が終わる。
- 欠けたりした場合、修理が可能。
デメリット
- 材料が変色する可能性がある。(保険適応材料、適用外材料、共に。)
- 欠けることがある。
- 治療の質が歯科医師のスキルによって左右される。(何でもそうですが、特に影響を受けやすい。)
治療例
初診時、詰め物が取れてご来院なさった方です。
初診時はクリーニングして、仮のセメントを入れ、とりあえず生活できるようにしました。
その後、カウンセリングで患者さまのお考えをよく伺って話し合い、全体の方針を決定しました。
患者さまは、ダイレクトボンディング(自由診療)を選択なさいましたので、
精密な治療のために60分のお約束時間をいただきました。
治療後です。
本来、歯にあった溝や丸みを再現します。
色は、3種類を重ねました。
歯の丸み一つ一つを色を合わせながら、丁寧に作り上げるので、時間はかかります。
しかし歯科治療は本来、とても繊細なお口の中の処置。
精密に繊細に処置を行うべき場所です。
理想の治療をするならば時間はかかるものです。
仕上がりについては、歯科医師の技術力に左右されるのは否めません。
例えば、私たち歯科医師に教えてくださる講師の先生の治療は、本当に全く治療の跡がわからない仕上がりです。
私もそのような仕上がりに少しでも近づけられるように、
これからも技術、知識の研鑽を重ね、質の高い治療を提供できるよう頑張ります!
今回の部位は上の奥歯ですので、形も色も、ほぼ人からは見えないかと思います。
しかし、失われた歯を復元するなら、本来やるべき処置をしっかり行い、
本来あるべき姿の歯を使って、生活していただきたいと思います。
ちなみに…、よく拝見する白い詰め物の治療は、こんな感じです。
ちょうど同じ部位の同じ溝の治療の跡です。
詰めてありますから、歯に穴は開いていないし、痛みもないです。
でも、形・色の再現はどうでしょうか。
もしかしたら、反対の歯と当たっても、
食べ物をうまく切ったり潰したりできていない可能性もあります。
やはり、元々あった本来の形・色に復元されていた方がいいです。
みなさんも、ご自分の歯の治療を受けるとき、どんな状態に治してもらうか、
先生とよく相談して治療を受けていただくと、よろしいかと思います。
削ったら二度と元に戻ることのない歯。
治療を受ける時には、よく相談して納得の上で進めましょう。
そして何より、治療を受けなくてもいいようにセルフケアをしっかりと行い、
定期的なプロフェッショナルケアを習慣にしましょう。
いつも思いますが、どんな治療内容のお話をしても最後は、
「患者さまの納得」と、「予防」の話に行き着きますね。
本当に大事です。
予防に関しては、人生の質が変わります。
今日もここまでお読みいただき、お疲れ様でした。
ありがとうございました!
皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁
名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、歯と神経を残す」歯医者|藤井歯科医院