削る量が増えてしまうセラミック治療、成功のための2つのポイント(前編)

セラミック治療で歯を白くしたい。
でもネットで調べたら、デメリットとして歯を削る量が多いらしい。
大事な歯なのにたくさん削っても大丈夫なの?

そう思ったことはありませんか?

セラミック治療は、本来の歯の色や形を再現できる素晴らしい治療ですが、確かにデメリットもあります。

他の材料と違う、主なデメリットは、

  • 欠けたり、割れることがある
  • 歯を削る量が多い

があげられます。

一つ目の欠けるデメリットについては、
こちらの記事(『セラミックが欠けてしまわないために必要なこと【厚さ】』)で、必要な厚さを確実に確保すれば、リスクを最小限にできることを解説しました。


今回は、もう一つのデメリット、「歯を削る量が多い」について解説します。

結論は、

理想の処置を精密に行えば、削る量の多さは問題にならない

です。

そして、そこには大切な原則が2つあります。

成功のための2つの原則

セラミック治療は、一般的な虫歯治療と同じく歯を削るので、一時的に歯がダメージを受けるのは避けられません。

しかも、セラミックが欠けないための厚みの確保のために、歯を削る量は増えてしまいます。

しかし、次の2つの原則を守れば、ダメージは大きな問題にはなりません。

  1. 清潔な環境で治療を行う
  2. 歯を削る量は、必要最小限にする

それぞれ解説します。

1.清潔な環境で治療を行う

セラミック治療などの歯を削る虫歯治療は、体にメスを入れ、体の内側を触る外科処置の一つです。

外科処置の基本の話をするために、目線を全身に広げてみます。


私たちの体が健康でいられるのは、体の中が外の世界にさらさせず、安全が確保されているからです。

そして、体の内側と外側を隔てているのは、皮膚です。
皮膚はその境界線の役割を持っています。

歯では、皮膚の役割を持つのはエナメル質です。

虫歯がエナメル質を溶かしてしまうことや、治療でエナメル質を削ることは、境界線が破られ、体の内側が露出している状態なのです。

医科領域の手術では、皮膚を開くことで境界線を破り、体の内側が露出している状態で処置を行います。

なので、治療部位である体の内側が外側からの細菌に感染しないために、「手術室」という清潔な環境で治療をします。

手術室は、手術の成功のための最低限の環境作りです。


歯科のセラミック治療でも、基本は同じです。

治療中は、エナメル質(皮膚)を失って、象牙質(体の内側)が露出するので、手術室のような環境がないと、すぐに細菌感染します。

このような「外の世界」の中で歯を削れば、歯の内部は唾液や粘膜から細菌感染します。

ただでさえ、セラミック治療は、金属の治療に比べて削る量が多いため、歯の内部にある神経が受ける刺激は大きくなります。
そんな時に細菌感染していたら、神経が受けるダメージはさらに大きくなってしまいます。

そのため、清潔な環境作りは、治療が成功するための最低限必要のステップとして、必要不可欠なのです。

清潔な環境の作り方

清潔な環境作りとして行うのが、ラバーダム防湿法です。

ただし、ラバーダムを設置するだけでは足りません。

唾液が漏れないように、隙間なくラバーシートをセッティングしたら、

この段階で付いている汚れをクリーニングする必要があります。

ただ、汚れは目で見えないので、汚れだけピンク色に染まる液をつけて、目で確認できるようにします。

ピンク色の汚れを中心に全体をクリーニングしました。

クリーニングしたことで、これまでついていた汚れは無くなりました。

また、ラバーダム防湿法によって、これから先のすべてのステップで、唾液による感染がない環境がキープされます。

こうすることで、治療中に起こってしまう唾液由来の細菌感染を防ぐことができます。

清潔な環境が整ってから、初めて歯を削る

これで初めて歯を削ります。

銀歯を外しました。

隙間からバイ菌が入っていたため、中は黒くなっています。
白く見えるのは接着剤です。

さらに進めます。

全てキレイにしました。

ここまでをまとめると、

ラバーダム防湿とクリーニングで作った清潔な環境のもと、唾液から細菌感染することなく、銀歯の中の虫歯菌を取り除き、完全に清潔な歯だけになりました。


この失われた部分をセラミックで回復することになります。

セラミックの厚さ確保のために、さらに歯を削る

ただし、セラミックには欠けないための必要な厚さがあります。

その厚さを確保するために歯をさらに削ります。

ここで大切なのが2つ目の原則

「歯を削る量は、必要最小限にする」

です。

削り過ぎれば、神経にダメージが増えます。
削り足らなければ、セラミックの厚さが確保できず強度不足になります。

つまり、神経にダメージが大きくなり過ぎないように、削る量を必要最小限に留めて、セラミックの厚さを確保する必要があります。

その方法については、長くなってしまうので、この続きは次回にお伝えします。

まとめ

長持ちするセラミック治療のためには、金属治療よりも歯を削る量が多くなるのは仕方ないことです。

ただし、大切な2つの原則

  1. 清潔な環境で治療を行う
  2. 歯を削る量は、必要最小限にする

を守ることで、歯が受けるダメージは歯の寿命に問題がないレベルにすることができます。

今回は、原則の一つ目「清潔な環境で治療を行う」について解説しました。

2つ目「歯を削る量は、必要最小限にする」については、次回に解説しますのでぜひご覧ください。


皆さまが快適なお口と健康な体で、楽しい毎日を過ごせますように

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