自分の歯磨きの苦手な場所と、その正しい方法を知っていますか?

こんにちは。

毎日行うお口のお手入れ。
毎日の習慣ですから、毎日同じやり方で同じくらい時間をかけて行うと思います。

すると、誰でもやりやすい場所と、苦手な場所が自然にできてきます。
その結果、きれいな場所と汚れが残りがちな場所ができますね。

 

残りがちな場所は、むし歯や歯周病のリスク部位になります。

お口の健康を守るには、いかにリスクを減らすかが大事です。
そのためにまずは、自分のリスク部位を知ることは、とても重要なことです。

risk

photo: Risk / jakerust

下のお写真の患者さまは、3ヶ月メインテナンスでご来院なさった方です。

初診時はむし歯が痛くて受診なさいました。
その後、頑張って通って全ての治療を終え、今はメインテナンス期間に入っています。

全体にとてもきれいに歯磨きできていて、フロスも毎日ではないですが、
頑張って使っていただいています。

 

しかし、きれいな場所と汚れが残りがちな場所がはっきりと分かれていました。
そして、汚れが残っている場所の歯ぐきは、細菌に反応して赤く腫れてしまっています。

今回、汚れが残っていたのは、

・上の奥歯の裏側
・下の奥歯の裏側
・下の前歯の裏側

上顎口蓋側

上の奥歯の裏側。
歯と歯茎の境目に取り残しがありました。

下顎舌側

下の奥歯の裏側。
ここも歯と歯茎の境目に残っていました。

下顎前歯舌側

下の前歯の裏側。 真ん中の隙間にだけ残っていました。 歯並びが回転しているので汚れがたまりやすく、 また、歯ブラシも当てにくいです。

 

ほかは綺麗でしたが、この3箇所だけ汚れの取り残しがありました。

知らないことは怖いこと

ここで大事なのは、ご本人は、全ての場所を同じように頑張って掃除していて、
場所ごとの残り方に差があることを、ご存知なかったことです。

 

同じように掃除しても残ってしまう場所は、このままのやり方で続けて掃除していくと、
いつか問題が起こってしまう可能性があります。

まず、知ることはとても大切なことです。

 

そして、磨き残しは、歯磨きの腕前が原因ではなく、
自分に磨き残しやすい場所があること自体を知らなかったことが、原因のこともよくあると思っています。

まずは知ること。

それで練習しても出来なければ、腕間の問題かもしれません。

でも、それも個性。
ご自身でケアできなければ、できない部分は専門家に任せることで、
お口の健康を維持すればいいだけの話です。
メインテナンスはそのためにあります。

話はそれましたが、まず自分のリスク部位を知ることはとても大事なことです。

 

そして、リスク部位には、
・共通の代表的なリスク部位
・ひとり一人違うリスク部位

の2つがあります。

今回は、
奥歯(1、2枚目)は、代表的なリスク部位
回転した前歯の裏側(3枚目)は、ひとり一人違うリスク部位です。

自分の特徴を知るために

お口の中のイメージを少しでも持っていただくために、
写真を撮影し見ていただきました。

鏡で見ながらお話しするのももちろんいいと思うのですが、よく見えませんよね。
より具体的にイメージしていただきたいので、当院では写真を撮影して、その場ですぐにiPadで見ていただいております。

磨き残しの原因

なぜ同じようにやっているのに、場所によってセルフケアの結果に差が出るのでしょうか?

原因は様々ですが、こんな感じ。

・歯並び
・上下のかみ合わせの位置関係
・頬や舌との位置関係
・利き手
・磨く順番
・被せ物などの形

これらの問題をクリアするために、歯磨きの練習をします。

 

歯磨きの練習は、

  • 皆さんに共通の一般的なやり方
  • 個人に応じたやり方

の2つで行います。

 

こちらの患者さまは、以前に基本的なことは練習していて、できていらっしゃいますので、
今回は、汚れが残っている場所での歯ブラシの動かし方を練習、確認しました。

ご自身のリスク部位を知っていただき、その場所に対応した動かし方を少し意識するだけで、汚れは取れました。

短い時間の練習でしたが、とても意味のある時間です。

 

メインテナンス期間では、皆さまひとり一人へのセルフケアのサポートが、
とても大きな意味を持っています。

 

ご自分の汚れの残りがちな場所を、ご存知ですか?

特徴を知ることは、体を守るための始めの一歩です。

 

ご自身にとって必要なセルフケアの方法を知って、
クリーニングをできるようにすることは、生涯にわたりお口を守るためにとても大切なことです。

 

かかりつけの歯医者さんをお持ちでしたら、
磨き残しがちな場所を教えてもらって、セルフケアの練習をしてみてください。

生涯の健康のために、とても役立つはずです。

 

当院では、初診時にお口の中のお写真を撮影し、
見ていただき、よく知ることから始めさせていただいております。

そして、ひとり一人に応じた治療プラン、ケアプランをご提案しております。

 

誰一人として同じ体、生活習慣、個性は持っていません。

ひとり一人に応じた対応で、患者さまの健康を最大限サポートさせていただきたいと思っております。

皆さまがお口のトラブルで悩まない楽しい生活を過ごせるよう、最大限お手伝いさせていただきます。

 

藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁