治療方針の選択

こんにちは。

歯科医院を受診して何か処置を受けるとき、
その方法の選択肢とそれぞれの特徴について、説明を受けていますか?

さらに言うと、
治療したほうがいいような問題がある歯が見つかったときに、
治療法の選択の前に、その時点で治療をする/しない、の相談はしていますか?

 

医学的に問題があったとしても、患者さんご自身が困っていなかったり、
状態を知ったあとでも問題として認識しない場合、
そこには治療しないという選択があってもいいものと考えています。

治療方法の選択をする前に、
まずその問題について、問題解決をしようとする/しない、の選択があり、
するならば、そこで初めて、どの方法で行うのかを相談するのが本当の姿ではないかと思うのです。

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患者さんには、「言われるがままに」にはなって欲しくないと、思います。
ご自分の体、失ったら二度と戻ってこないお口の中の組織だからこそ、しっかり向き合ってほしいです。

「言われるがままに、黄色に決められていた。」にはなりたくないです。

「言われるがままに、黄色に決められていた。」にはなりたくないです。

普段特に自覚症状のない場合は特に、深く考えるのは大変だと思いますが、
その大変さを経験するだけの、何ものにも変えられない価値があるのが、ご自分の体なのです。

 

カウンセリングでは、患者さんご自身が最終決断をする場面が多くあります。

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今まで、歯科医院で「選択、決定」することなく、
なんとなく言われるがままに治療を受けてきた方にとっては、
突然考えなければいけないシチュエーションに遭遇することになり、
困惑してしまうこともあるようです。

 

私:   「ここに、◯◯な問題があります。自覚症状はありましたか?」

患者さん:「いやぁ、ありません。全く気付きませんでした。」

私:   「そうですか。自覚できなくても、こんなことが起こってて、将来はこーで、あーで…。」

患者さん:「へぇー、そうなんですねー。」

私:   「もし、この問題を解決するとしたら、根本解決をしつつ、この歯に対してはこういう治療をすることができます。この歯は、今回、治療なさいますか?」

患者さん:「え?、は?」(治療するものと思ってた…。治療するんでしょ?)

私:   「治療をするかしないかは、患者さんが決めることですよ。◯◯さんの大切な体です。ご自身でよく考えて決めることです。」

 

今まででしたら、最後のあたりで先生から、
「では治療しましょう」という言葉をいただいていたかもしれません。

でも、ご自分の大切な体のことです。
他人に決めてもらうものじゃないと思うんです。

 

もちろん、決めるには難しいこともあると思いますので、
専門的な内容については私たちが説明をして、ご自分で答えを出すためのサポートをします。

その上でよく考えていただき、ご自身で納得のいく結論を出してほしいのです。
これは、その後の治療方針、方法の決定についても同じことです。

 

ちなみに、自覚症状もなく緊急度も低い場合で、
患者さんが治療をしない選択をなさった場合は、
メンテナンスでレントゲン撮影を行いフォローしていくなど、
治療しないにせよ、その後の方針を明確にします。

 

歯科の「治療」は、外科処置がほとんどです。(「予防」はまた違いますね。)
一度おこなったら最後、二度と元に戻ることができない処置もたくさんあります。

後から後悔しないようにするためにも、患者さんご自身でよく考えていただきたいと思います。

 

そしてもちろん、私たちは専門家として、
患者さんの「考える」をサポートするための努力を続けていきます。

これには、カウンセリング中の説明はもちろん、
普段から、お口のみならず、全身の健康に関する知識をお伝えすることも含みます。

 

その先には、「患者さん」ではなく、
いつも健康な体で、人生を楽しむ生き方があります。


皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、
総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、歯と神経を残す」歯医者|藤井歯科医院