1本の歯を長持ちさせるために必要なこと。

患者さんから、

「今まで、せっかく保険外でセラミックスを入れたのに、しばらくしたら悪くなっちゃったのよね。」

というお話を伺うことがあります。

 

保険外で高額なお金を出して、いい被せ物を入れたのだから、その歯は長持ちするはず。

とお考えの元でのご意見だと思います。

 

もちろんその理由には、過去に
「保険外の被せ物を入れれば、歯が長持ちする。」
とお話を受けていらっしゃるのかもしれません。

 

しかし、神経を取った歯を治す時には、大まかに4つの段階を精度高く治療する必要があり、
被せ物は、その4段階のうちの最終段階です。

 

1本の歯が長持ちするためには、この4つが整っている必要があります。

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保険外の被せ物を入れたのは、「④ 被せ物」です。

被せ物が入る前には、ベースになる順に、
①歯を支える歯ぐき
②歯の中の、根の治療部分
③空洞になった根の補強部分

があります。

 

しかも今回の「④ 被せ物」で大切なのは、歯との適合が高精度である必要がある、ということです。

残念ながら、綺麗なセラミックスなのに適合が悪く、そこに細菌が住み着き、虫歯や歯周病を引き起こしていることもしばしば。
適合精度が高く、そして、見た目も美しい被せ物が入る必要があります。

「見た目が白いセラミックスの被せ物を入れる」ことは、全体のほんの一部の要素にしか過ぎないという訳です。

 

お家で例えると、

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④の壁や屋根といった見えるところだけしっかりしていても、安心して住むことはできませんよね。

さらに、お気に入りのデザインの壁や屋根でも(白い歯でも)、
風ですぐ壊れてしまう(歯との適合が悪い)ならば、
安心して住めません。

 

①地盤がしっかりしていて、
②その上に基礎を立て、
③家の構造としての柱を組み、
④最後にデザインがお気に入りの、丈夫な壁や屋根を作って、
一つのお家の完成ですね。

 

歯も同じです。

①歯を支えている歯ぐきを健康にし(歯周病治療)
②根の中の細菌感染を取り除き(根の治療)
③歯が噛む力に耐えられるように丈夫にし(支台築造)
④適合が良く、自然感のある被せ物を被せる(被せ物)

この4つの他にも、
・歯並び
・それによる上下の噛み合わせ
・噛み合わせと顎関節、筋肉の調和
も加わり、一つの歯や、お口全体の健康維持が左右されます。

 

もちろん、4つの工程を正確に、精度高く行って初めて、長持ちする治療が成り立ちます。
そのためには、最低限、高倍率視野で十分な明るさのもと、処置を行う必要があります。

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拡大して見る世界は、裸眼とは別次元です。

例えば、歯周病治療の歯石取りでも、裸眼の治療と高倍率の視野で行うのでは、驚くほど差があります。
歯石の取り残し、処置による歯ぐきや根の表面へのダメージ、など治療成績に大きな差が出ます。

 

そして、これらの処置の前には、
・精密な診査
・正確な診断
・最適な治療計画
が必須です。

 

お口の健康を維持するためには、

・食生活
・お口のクリーニング習慣

は、とても大切ですが、

・どのかかりつけ歯医者さんで、治療やメンテナンスを受けるか。

は、お口の将来を大きく左右してしまう、大事な要素です。


皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、
総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、歯と神経を残す」歯医者|藤井歯科医院