難しい裏側の歯磨きも、写真で見ればイメージがわきます!
こんにちは。
毎日の歯磨き、スッキリ汚れが取れている感じがしますか?
理想の歯磨き法があるのは、ご存知の方も多いかと思います。
そのつもりでやってるのに、歯医者さんに行くと、
「汚れが残ってますねー」なんて言われたことないですか?
やってるつもりなのになー、って思いますよね。
今日は、当院で約1年間、数回にわたって歯磨き練習をしてきたけど、
どうしても部分的に磨き残してしまう方が、ある瞬間にピカピカにできるようになったお話です。
練習前
↑この写真は、ある日の歯磨き練習開始前。
ご自宅で歯磨きなさってから、数時間経った状態のプラークです。
プラークは、歯と歯ぐきの境目や、歯の間に多く残っていますね。
プラーク?
歯についている白いネバっとしたアレです。
そして、プラークとは細菌のかたまりです。
食べカスではありません。
プラークそのものが細菌の集合体です。
プラークは動いているようには見えないので、危機感を感じにくいですが、
もし、仮に細菌が大きいなら、目を凝らして見るとウジャウジャ動いているのが見えるってことですよね。
しっかり落として清潔なお口を保ちましょう。
インフルエンザや風邪の予防にもなりますよ。
いつものように歯磨きしてみると
そしてこちら↓が、あらためていつものように歯磨きしていただいたあとの状態。
結構時間をかけて磨いていただいたので、赤色は薄くなりました。
しかし、残念ながら、これくらい残っていると、歯肉の反応はおさまってくれません。
歯肉炎にかかった状態が続いてしまいます。
歯ぐきの炎症の脅威
最後にもお話ししますが、
このような歯肉炎は基本的には慢性炎症です。
そして、慢性炎症が体内に存在し続けることは、体にとってはとてもストレスのかかることです。
慢性炎症の存在は、将来起こるかもしれない全身疾患(心疾患、ガン、アルツハイマーなど)への道すじの、
入り口に立つきっかけになりうるのです。
おおごとになる前に、未然に防ぐチャンスがお口の中にはあります。
歯磨き練習は今までもしてきたけど…
こちらの患者様とは、約1年前から何度か歯磨き練習をしており、
ご自身は、とても熱心に取り組んでいらっしゃいます。
「良くしたい!」という気持ちがとても強く、頑張っていらっしゃいます。
ですので、これまでも歯磨き練習の時には、一緒に鏡を見ながら、
動かし方の癖なども考慮しながら、何度も改善を試みてきました。
でも、やはりこれだけ残してしまう。。。
練習した動かし方が、なかなかうまくできない感じでした。
私の伝え方が悪いのか。。。
見えないところをイメージする必要
ちなみに、ここは上の奥歯の裏側です。
鏡で見ても、細かいところまでは見えません。
それまでの練習では、直接プラークを見ながら落とす練習
というよりは、
歯ブラシの動かし方を練習しただけでした。
実際についている場所を、はっきりと目で見ることはしていませんでした。
そこで今回は、鏡を使って裏側の写真を撮って、
一度モニタでプラークが残っている場所を見ていただき、
イメージを掴んでいただくことにしました。
普通に見えないならば、カメラと鏡とモニターで見てみよう!というわけです。
話がそれますが、私の診療ではカメラはなくてはならないものです。
- 患者さまに状態を見てもらって共有するため
- 経過を記録し評価するため
- 自分で行った治療を記録し振り返るため
- 治療計画を立てるため
など、必需品です。
自分では見えない裏側も、鏡と写真で見えさえすれば
プラークが付いている場所の、具体的なイメージが持てたからでしょうか、
歯ブラシの角度や動かし方が、今までで一番うまくできるようになっています。
理想の場所にピンポイントで当てることができて、動かし方も上手にできている様子。
そしてよく磨いてみたのが、こちら↓
赤色が無くなってますね!
驚きました。
写真を見てイメージを掴んだだけなのに、ブラシの動かし方が変わって、
簡単にここまで綺麗に落とせるようになりました。
この瞬間、すごく嬉しかったです。
練習してきて少しづつは良くなってきていたものの、
ここまで一気に綺麗にできるようになったのは、本当に嬉しかったです。
患者さまにはこの時の歯磨きのやり方をよく覚えていただき、
仕上げのクリーニングをして、その日は終えました。
口の中をきれいにすることを侮ることなかれ
ここまでできれば、この歯磨きが患者様の中で定着することで、
お口の中がどんどんよくなって、病気しらずのお口を維持することを目指したいですね。
さらには、口の中の細菌が少なくなることによって、慢性炎症(ここでいう歯周病)がなくなり、
全身の健康にも良い影響が出れば最高です。
体内に存在する慢性炎症は、心疾患、ガン、アルツハイマーなどの全身疾患につながることが
わかっています。
そして、我々の体の中で、慢性炎症が起こる場所の一つに歯ぐきがあります。
歯周病ですね。
歯周病は自覚しにくい病気ですし、その先のある将来の全身疾患なんて、
もっと自覚しにくいかもしれません。
しかし、わかってきていることはたくさんあります。
歯科領域については、歯周病をなくすことで全身疾患のリスクを減らすことが
できることがわかってきています。
プラークコントロールは、短期的にも長期的にも、私たちの生活の質に大きな影響を与えます。
これからも、皆さんのセルフケアをサポートできるよう、
歯磨き練習を粘り強く行っていきます!
皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁
名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、残す」藤井歯科医院