今日は歯の移植のお話です。

銀歯の根っこに、大きなむし歯があります。

むし歯は歯ぐきの中にあるので、この写真ではよく見えません。

レントゲン写真で見ると、

 別のレントゲン写真でも、

銀歯の下の歯がむし歯で溶けて無くなっています。
むし歯は骨の深さまで進行しています。

今回の深いむし歯は、歯を残す様々なオプション治療を行っても、長持ちさせることが難しい状況と判断しました。

 

患者さんとは、

・現状
・将来のために今取れる選択肢
・各治療法、メリットとデメリット、費用、期間

をよく話し合いました。

 

具体的な治療法としては、

・抜いてそのまま(6番までのSDA: Short Dental Arch)
・インプラント
・延長ブリッジ
・歯の移植

が考えられます。

 

相談の結果、患者さんは歯の移植を選択しました。

移植するのは、反対側の親知らずです。

移植は、失った歯を自分の歯で補うことができる方法です。

インプラントは、歯ぐきとインプラント(チタン)がくっつきます。
それに対して、移植は、歯ぐきと自分の歯がくっつきます。

自分の体同士なので、一度生着すれば、その後は他の歯と同じように歯ぐきの健康を維持しやすいメリットがあります。

他の治療法と同じく、移植にもデメリットはありますが、移植に適した親知らずがあるならば、インプラントの前に考慮したい選択肢であると考えています。

 

では、治療の流れを追ってみます。

抜歯、移植した直後のレントゲン写真です。

抜歯した骨の穴と親知らずの大きさを、骨を削ることで合わせるのですが、このステップがなかなか大変で、時間がかかるオペになるかどうかを握っています…。
今回は、調整に時間がかかりました。

 

移植した後、親知らずは神経が死んでしまうので、神経の治療を行います。

親知らずは根っこが曲がっていることが多く、今回もクルンと曲がっています。
神経の治療が難しいパターンです。汗

細い器具を入れて、先まで届いているかを確認し、

そのあと、少しずつ太くして、入れる長さを調整し、

↓最終の材料を詰めて、根の治療を終了。↓

詰めるのは、先端からマイナス0.5-1.0mmの位置に設定しています。

この後、仮歯を入れて日常生活を過ごしてもらい、問題がないことを確認。

歯の周りには、長期にわたってこの歯が安定するための、硬くて丈夫な歯ぐきがあります。
(移植のオペの時点で、最終的にこうなるように粘膜の位置を調整する術式をとりました。)

2週間使ってもらって、患者さんは「何の違和感もなく普通に使ってます。」とのこと。
ホッとする瞬間です。

この後、型取りをして、最終の被せ物を入れる予定です。

 

移植は、歯を失っても、自分の歯で回復することのできる方法です。

親知らずが残っていて移植が可能なら、インプラントの前に選択肢に入れたい治療法だと考えています。


皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、ダイレクトボンディング、歯内療法、予防歯科、総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、歯と神経を残す」歯医者|藤井歯科医院