歯科医院に2ヶ月間通っているけど、痛みが消えないということで受診なさった患者さん。

右のレントゲン写真の黄色の部分の骨が溶けています。

通っていた歯医者さんでは、2ヶ月間の間、毎週一回お薬の交換を行ってきたとのことでした。
しかし、先生が口の中を触っている時間は大体2分くらいとのこと。

『薬の交換』、そして2分…。

歯の中に細菌感染があることが疑われるので、根管治療を行うことになりました。

隔壁を作って、ラバーダムをして進めますが、

すでに神経があった空間の構造が崩れて、ジップが作られていることを疑いました。

ジップとは、

緩やかに曲がっている根管は、ファイルという器具を使って、同じく緩やかなカーブの形にクリーニングするのですが、

ファイルは金属製なのでシナリに限界があり、

扱い方によっては本来の根管と違う形(=ストレートな形)に歯を削ってしまいます。
そのようにできた本来の構造とは違う形に削れた部分が、ジップです。

一度ジップを作ってしまうと、

ファイルがジップに誘導されてしまい、ジップから先の本来の根管内をクリーニングしきれないことがあります。

 

↓根管充填(根の治療の後の詰め物)後のレントゲン写真

本来の根管と考えられる部分が、クリーニングできているか疑わしい写りです。

根管充填後3ヶ月間、経過観察をしましたが症状は消えなかったので、
外科的歯内療法(歯根端切除術)を行うことになりました。

ファイルで触れていないかもしれない部分に細菌がいる可能性があるので、
その部分を歯ぐき側からアプローチして、物理的にカットすることで、細菌を除去することを目的に行う処置です。
(文字だとわからないですね。。。ごめんなさい)

 

↓歯根端切除術後のレントゲン写真

その後さらに4ヶ月経過観察を行いましたが、症状は消えず…。

今回、逆根管形成と充填が浅くなったので、それが原因か、
感染源が残っているか、舌側にヒビがあるかを疑い、

最終手段である外科的歯内療法(意図的再植術)を行うことになりました。

 

患者さんは2回の外科処置を経験することになってしまいましたが、
よく説明をし納得いただいた上で、オペを行うことになりました。

一度抜歯して、根の先端をきれいにしてカットし、MTAによる逆根管充填をおこないます。

その後、元の位置に戻します。

5ヶ月経過して、根の先端の骨ができているように見えます。

患者さんからは、「違和感は消えたが、十分に待ちたい。」とご希望がありましたので、さらに経過観察を続けます。

1年5ヶ月後、レントゲン写真ではきれいな骨ができている様子が確認できました。

違和感は完全に消え、しっかり噛めるとのことなので、セラッミクスの被せ物をセットし治療が終了しました。

 

今回、2回の外科処置を行うことになって、患者さんにはとても頑張っていただきましたが、最終的にはしっかり噛めるようになり、治療を終えることができました。

歯の治療はできるだけ軽症の段階で、基本を大切に行うことで、長持ちする治療結果を提供できると考えています。

そのために、これからも研鑽を積みたいと思います。


皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、歯内療法、インプラント、ダイレクトボンディング、審美歯科、歯の移植、予防歯科、総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、歯と神経を残す」歯医者|藤井歯科医院