できるだけ削らないで治す治療。(part 2: 最小限で削る方法)

こんにちは。

前回、むし歯治療において、歯を削らない方がいい理由についてお話ししました。

今回は、実際に行った実際の治療法を見てみましょう。

最小限で削るトンネル法

というわけで、今回は、インレーでは治さず、トンネル法という方法で治療しました。

この方法で患者さまが受けるメリットは、健康な自分の歯を削る量を最小限にできる事です。

ラバーダム

ラバーダムをしました。

血液、唾液から治療ゾーンを隔離します。

感染物としての血液や唾液などから、象牙質(=体内)を守るためです。
前回の記事で、象牙質は中胚葉由来の「体内」でしたね。)

また、詰める材料がしっかり歯と接着するためには、水分(唾液・血液)がないことが条件の一つです。
(呼気に含まれる湿度レベルでも接着に影響があるというデータもあります。)

では削ります。

IMG_1962

小さな削る器具で辺縁隆線を避けて、穴を開けます。
この穴からトンネル状に削るので,トンネル法と言われます。

そして、鏡を使って色々な角度から拡大してみながら。

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いくつもの角度から確認しながら削ります。

表面のエナメル質を残しながら、中のむし歯は取り残しのないように。

いつも書きますが、治療では高倍率拡大ルーペと専用ライトを用いて治療しています。
明るく拡大して、鏡で様々な角度から見て行うからこそ、最小限の処置ができます。

裸眼では、穴がもう少し大きくなるか、もしくはむし歯の取り残しができてしまうか。。。
そして、むし歯の取り残しのないようにするためには穴を大きくして、、、

なんてやっているうちに、削らなくてもいい健康な歯が削れてなくなってしまい、
インレーにすることになったり、でしょうか。

一通りむし歯が取れたら、取り残しがないか、チェックします。

IMG_1965

青い液は、むし歯だけを染める液です。(「う蝕検知液(うしょくけんちえき)」といいます)

洗い流して、歯が青く染まっていれば、そこままだむし歯、という検査薬です。
むし歯を取り切れたかの確認は、色、硬さ、感覚?ドクターの疲労度?など様々あるかもしれませんが、

・硬さ
・検知液で染まるか

で判断します。
主観的感覚だけで左右されてはいけない部分です。

色に関しては、たとえ歯が黒や茶色でも、細菌が住んでいなくて(上記2つで問題がない)、
見た目に影響がなければ、絶対条件ではありません。

 

洗い流したら、検知液で染まっているところだけをピンポイントで狙って削ります。
これも、拡大していないと精密にはできない内容です。(裸眼でも「大体な」レベルではできます。)

また染めて、また狙って削り、を何度か繰り返し、むし歯を取り残さないように、かつ、最小限の削り方で進めます。

 

う蝕検知液を使うと、自分では、取り切ったと思っていても、まだ青く染まった!ということを経験します。
もう取れただろうな、という感覚だけでは危険ということです。
せっかく、う蝕検知液というものがあるのならば、それを使って安全確実な医療を患者様に提供しない手はないと思います。

歯科治療において「術者の感覚」は、内容によっては必要なこともあると思います。
しかし、むし歯の取り残しの確認のような、一定の質を出し続ける必要の強い内容については、
う蝕検知液のように確立された方法を用いることで、確実にステップを進める必要があると考えています。

 

ということで、皆さんがむし歯治療を受ける時には、
う蝕検知液を使って、かつ、拡大視野でむし歯治療を行ってくれて、
それをちゃんと説明してくれる歯医者さんで、治療を受けることをお勧めします。

 

むし歯を全て取り終えたら、レジンという樹脂を流し、固めます。

詰め終わったところが、

IMG_1967

ラバーダムを外して、かみ合わせの確認をして終わりです。

補足

トンネルの上に残した辺縁隆線(前回の記事で説明しています)が薄かったり、細くなってしまった場合には、
将来かみ合わせの歯と噛んでいく中で、薄く残した歯がかける事があります。

残した辺縁隆線の厚み、かみ合わせの状態によっては、トンネル法が適さない事もあります。
様々な項目の判断によって治療法を選択、提案します。

今回は、辺縁隆線は薄めですが、かみ合わせの歯と当たっていないため、トンネル法を選択しました。

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今日もお疲れ様でした。

実際の治療では、患者様の噛み合わせや、むし歯の大きさ、歯磨きの状況などを
総合的に判断して方法を決定します。

正確な医療を受けられるかかりつけ医を作り、健康な状態を維持できるよう、
患者さまにできる事をしましょう。
患者さまにできる事は、毎日のセルフケアと、信頼できる歯科医院選びです。

 

診療で、いつも大切にしている事は、
生涯にわたり健康な状態を維持できて、お口のストレスなく過ごすためには何が必要か、ということです。

人生の質を高めるためには、大切な時間を病気で止まる事なく、過ごしていただきたいです。

 

皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区
歯周病、インプラント、審美歯科、予防歯科、
総合治療の藤井歯科医院

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