お口の安定に必要なこと(後編:力のコントロール①)
こんにちは。
前回から「お口の長期間の安定に必要なこと」として
- 炎症のコントロール
- 力のコントロール
についてお話ししています。
今回は力のコントロールについてです。
力のコントロール
炎症に比べて、こちらはイメージがつかみにくいでしょうか。
歯にかかる力を適正にしましょう。ということですが、
以下の2つに分けることができます。
- 歯や歯並び全体にかかる、力の大きさや方向を適切にする
- 寝ているときの歯ぎしりや昼間の噛みしめなどの、癖による力をなくす
1.力の大きさや方向の問題
これは、歯の位置関係や形に関わる問題です。
むし歯治療で新しい被せ物を入れたときのことを考えていただくと、
イメージしやすいかもしれません。
もしも、適正な形の歯にしなければ、
その時に気付かないくらいのわずかな問題でも、ゆっくり時間をかけて
・その歯の根っこに負担が加わり続け、将来割れる原因になったり、
・歯並びが変わったり、
・関節の周りの靭帯や軟骨に変化が起こったり
と、忘れた頃にトラブルがやってきます。
そして、一つの単位としてのお口のバランスを崩すことになります。
他には、
- 過剰な力は歯ぎしりで、歯が磨り減ってしまった。(形の変化)
↓
顎関節や筋肉の機能に悪影響が出る。
や、
- 歯周病のまま長い期間放置したために、歯がグラグラになり、歯並びが変わってしまった。(位置の変化)
↓
・顎関節や筋肉に影響が出る。
・傾いた歯に、理想とは違う角度で力がかかることで、歯が割れたり、なぎ倒されて失いやすくなる。
があります。
そのときに何も感じなくても、
歯並びを整えたり、噛み合わせの調整をしっかり行うことは、
長期的にはとても大事なことなのですね。
2.癖による力をなくす
癖とは
ここでいう癖とは、歯ぎしりや噛みしめのことを言います。
その力によって、
- 歯がしみる
- 顎関節、筋肉が痛い
- 歯並びのずれ
- 胃腸障害(噛みしめるたびに一緒に空気を飲み込むため、ゲップやオナラ、腹部膨満感)
などの症状が起こることがあります。
具体例
「炎症のコントロール」つまり、むし歯や歯周病治療が一通り終わり、
適切な被せ物を入れて「力のコントロール」の一つ目を理想的に行い、
メンテナンス期間に入ったとしても、歯ぎしりなどによる悪影響が、長期的にじわりと響いてきて、
- 治したところが壊れる
- 歯が折れる
- しみる
- 顎が痛い
といった次なる問題が起こることがあります。
今日はここまでにして、この続きは次回に書きます。
歯ぎしりや噛みしめによる影響は、とても重要な問題です。
すべての治療が終わり、セルフケアも良好で、メンテナンスに移行した場合に注意したいのは、
・歯周病の再発
・露出した根にできるむし歯
・歯ぎしりや噛みしめによる歯や修復材料の破損
があげられます。
治療期間よりずっと長く、本当の意味で一番大切なメンテナンス期間。
その期間に力のコントロールを成功させることは、お口の安定にとって大きなプラスです。
そのためには治療期間中から、先を見据えた一つ一つの結果を積み上げていくことが大切です。
一つ一つに妥協せずに、正確に。
今日も、ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
お疲れさまでした。
さて、GWですね!
11連休の方もいらっしゃるのでしょうか。
当院は5/2をお休みさせていただき(休診:1日〜5日)、6日からの診療とさせていただきます。
遊び疲れで体調を崩されることのありませんように(^^)
素敵な休日をお過ごしください!
皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁
名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、残す」藤井歯科医院