予防歯科(根本解決編:part2)

こんにちは。

前回に続き、お口のトラブルの根本解決につながる大切なお話です。

前回は、お口のトラブルにはむし歯だけでなく、歯ぐきの感染症(歯周病)もあり、
それは自覚症状を感じにくくて、対症療法は基本的にない。
というところまでお話しました。

前回に続き、むし歯をきっかけに歯科医院を受診することになった場合を例に、お話を進めます。
前回のおさらいから始めましょう。


歯が痛くなってしまいました。

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むし歯治療のために、歯科医院を受診することに。

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歯科医院で、むし歯を削って治療が完了しました。
失った歯は人工の材料で復元し、日常生活に戻ることができました。

 


しかし、むし歯は無くなりましたが、それで全て解決でしょうか?

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「むし歯を削って、失った歯を人工物で埋める」という治療は、
むし歯をとってできてしまった穴を埋めるという、対症療法に過ぎません。

 


しかも、そのむし歯は、自覚症状(しみる)があったから気づく事ができました。

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歯の病気=むし歯や歯が割れるなど、は、自覚症状を感じやすいので、
自分で病気の存在に気付きやすいです。

 


お口の中にはむし歯の他に、病気にかかりやすい組織があります。

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歯ぐきに起こる歯周病です。

歯周病は、初期の頃にはほとんど自覚症状を感じません。
その気づかないままに静かに進行する様子から、
サイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)と言われています。

むし歯と歯周病はお口の二大疾患です。

 


むし歯は削って詰めるなどの、対症療法がありました。
歯周病の対症療法は…

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歯周病には基本的に、対症療法はありません。
では、治すにはどうしたらいいのでしょうか?

ここまでが前回の内容でした。



お口の2大疾患:むし歯と歯周病は、年を取ると罹ったり、偶然発生するわけではありません。

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その「原因」になるものがあった時に、初めて起こる「結果」です。
原因とは何でしょう?

 


原因は、基本的にはむし歯と歯周病、同じものです。

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原因は、細菌です。

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「むし歯は、バイ菌の仕業。」
というのは、お馴染みですよね。
ヤリを持ったバイ菌のイラストを見たことがあると思います。

日本で戦後始まった、むし歯予防の啓蒙活動は成功しており、
歯科医院がむし歯の患者さんでごった返す現象は、今では見ることができません。
むし歯との戦いの時代は、勝利で終えています。

 

しかし、歯周病についてはどうでしょうか。

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むし歯のように見た目では気づきにくいです。

そして、自覚症状を感じにくく、生活に支障が出るのは重症になってからです。
なので、そもそも歯周病が何者なのか、むし歯ほど知られていませんね。

 

また、歯周病にかかっていらっしゃる方の中には、
「年だから歯周病になった。」とおっしゃる方も。

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歯周病は、年をとると誰でも罹ってしまう、仕方のない病気ではありません。

 

細菌が原因の、細菌感染症です。

ペリオ感染症

細菌がいなければ、罹ることのできない病気です。

ギネスブックには、
「全世界で最も蔓延している病気は歯周病である。地球上を見渡しても、
この病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。」
と記載されています。

 

むし歯も歯周病も、細菌が原因の細菌感染症なのです。
では、その細菌感染症は、対症療法だけで完全に「治る」のでしょうか?

答えは、「いいえ」です。

原因結果

細菌という原因が、口の中にあり続ける以上、

細菌感染症という結果は、発症し続けます。

原因である細菌を取り除く原因療法によって
健康なお口を維持することができます。

 

 

 


では、原因療法とは、どういう事でしょうか?

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原因を取り除く原因療法は、基本的にはクリーニングのことです。

毎日の歯磨きと、定期的なメンテナンス
これこそが、根本的な解決策である、原因除去療法の基本です。

特に、セルフケアの歯間清掃は、とても重要です。(予防歯科(歯の間のセルフケア編)
また、プロフェッショナルケアについては、こちらもご覧ください。
予防歯科(PMTC編)予防歯科(メンテナンス編)

自分一人で維持しようとするのではなく、歯科医院との二人三脚でお口の健康を保ちましょう。

 

また、予防医学では、クリーニングだけではなく、

生体のコンディション(組織の強さ、免疫力)を整えることで
本来人間の持っている力を発揮しよう、という分子整合栄養医学を取り入れ、
総合的な健康を目指す考え方があります。

お口をきれいにすることにより原因をなくすことはできますが、
そもそも体が本領発揮できていなければ、健康でいることは難しいです。

私の実体験ですが、分子整合栄養医学を学び実践することで、風邪を引きにくくなりました。
朝の目覚めは軽くなり、怪我の治りも早くなりました。
分子整合栄養医学に関しては、改めてお伝えしたいと思います。

 

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まとめです。

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左下の四角の中だけではなく、上の大きな四角を攻略して、健康なお口と生活を手に入れましょう!

  1. お口の健康のためには、最低限、歯ぐきを守る。
  2. 特に歯周病は自覚症状を感じにくいので、要注意。予防が一番。
  3. 対症療法は大切だが、それだけではなく、原因療法が絶対必要。
  4. 基本的な原因療法はクリーニング
  5. クリーニングは、セルフケアプロフェッショナルケアの2本立て。

 

前回と今回の内容は、昔から歯医者さんが「歯を磨きましょう」っと言ってきたことを、

図で表現しただけですが、何か少しでもイメージをつかんでいただけたら幸いです。

お口の健康に関する情報、特に予防に関する情報がよく取り上げられるようになった昨今、
以前と同じことを発信しても、皆さんに届きやすいタイミングなのかなと思います。

病気になってから対応するのではなく、
病気を予防し、健康を維持する習慣を身につけましょう!

その方が、大切な時間を有意義に使えますね。
大切な人生、病気を治療するために使う時間はできるだけ少なくしたいものです。

 

三寒四温と言われるこの時期、寒暖差で体調を崩さないように気をつけましょう。
今日も読んでいただきありがとうございました。

皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、
総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、残す」藤井歯科医院