予防歯科(歯の間のセルフケア編)

こんにちは。

前回、前々回と、お口の健康を維持するには、
セルフケアとクリニックでのメンテナンスの両方が有効というお話をしました。

今回は、セルフケアの中でも、歯の間のクリニーニングについて、お話します。

セルフケアの基本

毎日のセルフケアできれいにしておきたい部分は、

  1. 歯と歯ぐきの境目
  2. 歯間部
    歯頚部歯間部

    1.歯と歯ぐきの境目
    2.歯間部

  3. 噛み合わせの溝
    3.噛み合わせの溝

    3.噛み合わせの溝

です。

 

この中で、特に、2.歯間部は、一番気をつけたい部分です。

2.歯間部の汚れを制するかどうかで、お口の健康をが左右されると言っても過言ではないでしょう。

歯ブラシの限界

歯ブラシだけで落とすことができる汚れは、全体の何%くらいだと思いますか?

実は、歯ブラシだけでお口のクリーニングをしても、
約60%しか落とせないということがわかっています。

 

歯ブラシできれいにできるのは、1.歯と歯ぐきの境目と、3.噛み合わせの溝がメインです。
歯ブラシだけのクリーニングでは、歯間部の汚れを落とすことが十分にできないのです。

以前の記事(歯の間のお掃除をすると血が出るけど、続けていいの?)でも書いていました。

フロス担当部位

歯ブラシだけでは歯の間の汚れは取れません。
オレンジ色が歯ブラシ担当。
黄色がフロス・歯間ブラシ担当です。

歯の間には、歯ブラシだけでは取りきれない汚れが、約40%あることになります。

毎日、歯ブラシだけで掃除を続けていると、常に約40%取り残し続けているわけです。

その結果、歯間部にはバイオフィルム(細菌の作るヌルヌルの膜)が形成され、
虫歯や、歯周病が発症してしまいます。

 

この写真をみてください。
コンタクト修復

左右とも、前歯以外の歯の間は、ほとんど金属に置き換わり、ご自分の歯が残っていません。

歯磨きを頑張っていても、歯の間の掃除道具を使っていないと、ゆっくり時間をかけて、
歯の間が虫歯になります。

その度に削って治療、を繰り返した結果が、この状況です。

 

治すことも必要で大切ですが、
そうならないように未然に防ぐ、守るとこが一番大事です。

虫歯だけではなく、歯周病も、歯の間が大好物です。

 

もしも、虫歯や歯周病になってしまったら、治療に集中することと併せて、
なぜそうなってしまったのか、原因に目を向けましょう。

そして、再び同じことを繰り返さないように、予防することを考えましょう。

お口を守りたかったら、とにかく歯間部のクリーニングなのです。

予防するなら、歯の間のクリーニング!

虫歯や歯周病を予防するためには、歯の間の掃除道具、つまり、
デンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。

歯ブラシと歯間清掃道具の両方で、はじめて100%のセルフケアができます。

歯の間の掃除道具には、主に、

  • デンタルフロス
  • 歯間ブラシ

があります。

歯間清掃

歯間ブラシには、太さ、素材、ハンドルの形、など様々な種類があります。
デンタルフロスにも、太さ、ハンドル付きのフロス、ハンドル付きの場合には向きなど、
いくつかの種類があります。

一人ひとりの、歯の間の隙間の広さ、お口の形など、適したものを使いましょう。

セルフケアは生活習慣の一部

セルフケアのタイミング、かけられる時間、器用さ、使い方の癖などは、
人それぞれ違います。

教科書どおりの理屈だけで道具を選んでも、その方の生活習慣の中で継続できなければ、
歯を守ることができなくなってしまいます。

虫歯や歯周病予防は、生活習慣の中で、毎日行っていくものです。

 

一人ひとりに合った、現実的に継続可能な道具や方法を、歯科医師や歯科衛生士と相談し、
見つけましょう。

そのようなことに向き合ってくれるクリニックを
かかりつけの歯科医院にすると、生涯のお口の健康を守ることがきます。

習慣にするハードル

歯ブラシをしない方はほとんどいませんが、
歯の間のクリーニングを毎日行っている方は、まだ少ないのが現実です。

よく伺うできない理由は、

  1. 面倒くさいから
  2. うまくできないうちに嫌になっちゃう
  3. やり方がわからなくて怖い

2.と3.は歯医者さんで練習することで、なんとかなる可能性が高いと思います。

1.は、一度自分にとってのメリットを感じてしまえば、
面倒くささより、やりたい気持ちが上回るでしょう。

例えば、
口臭が消えた。
お昼前や夕方頃からの不快感がしない。
朝、起きた時、口の中が快適
などです。

 

毎日、歯の間のクリーニングをしている方は、
確実に、お口を守ることができています。

そして、習慣にしていらっしゃる方は、そのことを面倒と感じるよりは、

  • やらない方が気持ち悪い
  • 自分のためにやりたいからやっているだけ

といった感覚の方が多いと感じます。
何かしら、自分にとっての具体的なメリット、意味を感じているのですね。

 

まだほとんどしたことのない方は、
とにかく、一度フロスや歯間ブラシを手にとって、使ってみるのはいかがでしょう。
使ってみないとメリットを感じることはできません。

そして、使って初めて感じる「何か」があるかもしれません。

 

しかし、いきなり習慣の中に、ハードルの高いことを入れると
挫折してしまう可能性があります。

まずは「たまに」から始めてみる。
または、日替わりで上だけ、下だけと、続けてみる。

など、なんでもいいと思います。

はじめの一歩を踏んでみてください。
そこから何かが変わり始めるかもしれません。

 

歯の間のクリーニングをして、生涯自分の歯で生活ができますように!

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最後までお読みいただきありがとうございました。

明日日曜日は、セミナーに参加です。
ずっとお話を聴きたかった、山梨県ご開業、秋山先生のセミナーです。

マイクロスコープや、歯周外科、歯周病治療、虫歯治療など、
多岐にわたりお話が伺えると、楽しみにしていたセミナーです。

東京での勤務医時代の先輩からお話は伺っていて、
いつか直接お会いして聴かせていただきたい!と楽しみにしていました。

1日なので、さわりだけの内容かもしれませんが、とても楽しみです。

 

それでは、良い週末を!
今週もお疲れ様でした。

皆さまが快適なお口で、楽しい毎日を過ごせますように
藤井歯科医院・副院長
藤井芳仁

名古屋市天白区植田
歯周病、インプラント、審美歯科、歯内療法、予防歯科、
総合治療の
「大切な歯をできるだけ削らない、残す」藤井歯科医院